■東京文化財ウィーク2017
10月に続いた曇りの日と長雨、そして台風から解放されてきました。
天気の良い日が続き気候も穏やかになり、文化に親しむ秋がやって来ました。
今年も東京都内の文化財を身近に感じることができる「東京文化財ウィーク2017」が開催されています。
特に「文化の日」を中心に、この連休に特別公開を行う施設が沢山あります。
勉学の秋ということで、去年に引き続き、特別公開されている文化財の見学に行ってきました。
■本田家住宅
国立市谷保には、国登録有形文化財の「本田家住宅 主屋と薬医門」があります。
場所は甲州街道に沿い、谷保天満宮の東側にあたります。
主屋は、江戸中期以前に建てられたものだそうです。薬医門は、江戸の後期に建てられたもので、元々は、主屋の正面に立っていたものが、昭和初期におこなわれた甲州街道の拡幅工事に伴って、敷地の角に移されています。
この主屋には、平成21年まで人が住んでいたそうです。現在は住まいとしては使われていません。
本田家は名士で、徳川家光のころには馬の調教や獣医などをおこなっていて徳川との関係があったそうです。
また、江戸末期の幕末には新選組の土方歳三も、この本田家に来訪していたそうです。
土方歳三のお父さんの妹が、本田家に嫁いでいたとのことで、親戚関係があったそうです。さらに土方歳三とともに近藤勇も来訪していたとか。
地元の歴史に詳しいボランティアのガイドの方と学芸員の方がいろいろ説明してくださいました。
興味がある方は一年に一度のこの機会に見学に行かれてみては如何でしょうか?
本田家住宅 主屋
本田家住宅 薬医門
徳川と関りがあったため、薬医門には、徳川の三つ葉葵の紋が付けられています。
本田家住宅 主屋と薬医門
所在地:国立市 谷保 5122
■武蔵国分寺跡資料館
昨年も一度見学した武蔵国分寺資料館です。前回は長屋門が解体補修工事のため無くなっていましたが、工事も完了しているはずなので、その見学も兼ねての再訪です。
解体補修工事が完了した「武蔵国分寺跡資料館」入口となっている旧本多家住宅長屋門です。
本多家は、国分寺市の中に地名が残る国分寺村の名主です。
この長屋門は江戸時代に作られたものです。
都指定有形文化財 武蔵国分寺跡出土の緑釉花文皿
奈良時代の頃の竪穴式住居跡の床面から出土したものです。
武蔵国分寺での仏教儀礼のためのものだそうです。
都指定有形文化財 唐草四獣文銅蓋
奈良時代の寺院の火災で焼失した竪穴住居跡から発見たものだそうです。
都指定有形文化財 銅造観世音菩薩立像
この像は、下腹部が前方に突き出ているのが特徴です。
東山道武蔵路(7世紀頃に作られた武蔵国府(府中市)から国分寺を通って北の方へ延びている幅12mの直線道路)にあたるところから発見されています。
武蔵国分寺跡資料館
所在地:東京都 国分寺市 西元町 1-3-10
http://www.city.kokubunji.tokyo.jp/shisetsu/kouen/1005196/1004239.html
■小野神社
小野神社では、都指定有形文化財の「木造随身倚像」が公開されています。
小野神社は、武蔵の国の一之宮となっています。六所宮の府中市にある大國魂神社が小野神社の上にあります。
小野神社の大鳥居とその先に随神門があります。
木造随身倚像の古像です。
こちらは、元応元年(1391年)の因幡法橋応円の作です。
木造随身倚像の新像です。
寛永5年(1628年)鎌倉仏師大弐宗慶に制作されたものです。
小野神社
所在地:東京都 多摩市 一の宮 1-18-8
http://onojinja.or.jp/index.html
めったに見ることのできない文化財を特別に公開展示される年に一度のこの機会。
皆さんも文化財を見学に行ってみませんか?